タワーレコードによる追悼記事です:
tower.
演奏と同様、書かれた音楽論/音楽エッセイもすばらしく、演奏よりも文筆のほうを高く評価する人もいるくらいです。
私は、いつしかピアノ演奏の視聴は、この人とグレン・グールドの二人に集中するようになりました。
私が若い時分、欧州にいたとき、夏休みをチロルで過ごしていたおり、ウィーンで演奏会があり、
行くつもりだったが果たせなかった。
また幾度も来日していたにもかかわらず、一度もじかに演奏を聴くことができなかったのは、じつに残念です。
すでに2008年にピアニストとしては引退しましたが、その後も講演や後進指導などで活躍。
ベートーヴェンのピアノ曲全曲を録音した最初の演奏家であり、シューベルトやリストを江湖に拡げるのに貢献されました。
インタビューによる自伝によれば、基本的に独学ということで、これには驚き感心したものです。
同じ時代を分かつた敬愛する人が、一人いなくなり残念です。
死を悼みつつ、在りし日の活躍を偲んでおります。
秋以後になりましょうが、時間とエネルギーと個人的事情に余裕ができた際には、配信でじっくりと扱いたいと思います。
#画像は1995年来日時における演奏会の様子。
ベートーヴェン:ピアノソナタ30番(作品109)の第3楽章での最終変奏。